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「老犬が夜寝ない…ウロウロと徘徊する…」主な原因と具体的な対処法

「最近室内で飼ってる犬が、深夜にリビングをうろちょろして散歩に行きたそうにしています…」

「夜中寝ないでずっとソワソワしていて、しまいにはクンクン鳴いてたのですが原因はなんでしょうか…」

あなたも愛犬のこのような行動に悩んでいませんか?

老犬が夜になっても眠らず、家の中をウロウロと徘徊するのには原因があります。

本記事ではその主な原因と対処法について解説します。

浅川雅清氏
監修者
浅川 雅清氏
               

2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒。同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務。犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。

2023年より1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修、記事作成など幅広い業務を行っている。

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老犬が夜寝ない。ウロウロする主な原因

老犬が夜寝ずに、家の中をウロウロするのには理由があります。

以下は主な原因です。

  • トイレが近い
  • 不安になりやすい
  • 部屋が落ち着かない(明るい、うるさい)
  • 体の痛みや体調不良
  • 認知・痴呆症

このように老犬は、心身の不調や環境の変化に敏感になっています。

年を重ねた犬は、身体の機能や認知力の低下により、不安や違和感を感じやすくなり、それが夜間の落ち着きのなさに繋がっているのです。


眠れない、徘徊するのは「認知症」の可能性

実は犬にも、人間のアルツハイマー病に似た疾患があります。

「認知機能障害症候群(CCDS)」と言い、よく眠れなくなったり睡眠時間が短くなることによって、睡眠の質が下がり、睡眠障害を起こすのです。

主な症状には、

  • 不眠症
  • 昼夜が逆転する
  • 夜鳴き

などがあり、夜徘徊するのも症状のひとつに含まれます。


実際に、認知機能障害症候群に罹患した犬の飼い主からは、

「夜間の睡眠不足になっている」

「日中の睡眠時間が増えた」

あるいはその両方もあり、夜間に徘徊する、夜鳴きするといった症状も報告されています。

よって、加齢に伴う衰えから脳の働きが変わり、行動に現れていると考えられます。

ただし認知症に限らず、体の痛み、不安、または他の疾患や病かもしれませんので、獣医師による適切な判断が必要です。

引用元:KCRA「睡眠不足の老犬は認知症の可能性がある」


夜間にウロウロする老犬の具体的な対処法

では、実際に夜になると、老犬がウロウロと徘徊してしまう場合はどうすればいいのか。

以下で解説します。


トイレを見守る

老犬になると膀胱の機能が衰え、夜中にトイレに行きたくなることが増えてきます。

もしかしたら夜にそわそわと歩き回るのは、トイレのサインかもしれません。

そのため、犬が歩くのを止めようとせず、静かに様子を見守り、トイレに誘導したり、必要であれば外へ連れて行きましょう。

失敗への不安を抱えている可能性もあるので、側で声をかけて安心させることも大事です。


撫でて落ち着かせる

人と同じく、犬も高齢になると不安を感じやすくなります。

特に、夜の暗がりや静けさで、ちょっとした音に敏感になり、気持ちが落ち着かないためにウロウロすることも。

そんな時は側に寄って、「大丈夫だよ」と優しく撫でてあげましょう。

飼い主の手のぬくもりは、犬にとって大きな「安心感」です。

側で目を見つめながら、気持ちよく眠りにつけるまで、優しく撫でてあげてみてください。

きっと安心して寝てくれるはずです。


寝床を暗くする

犬が落ち着いて眠れるように、寝床の環境を整えてあげましょう。

部屋が明るすぎたり側で物音がしてうるさいと、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなってしまいます。

そこで、寝床を静かな所へ移したり、なるべく照明が当たらないようにして、眠りやすい環境にしてあげましょう。

ケージを使っている場合は、上からタオルをかけてあげると暗くなって落ち着きやすくなりますよ。


適度な散歩、運動を行う

高齢になると、自然と日中の睡眠時間が増えます。その影響により、夜眠れなくなり覚醒してしまうのです。

そこで、日中に散歩や軽い運動を取り入れて適度に疲れることで、夜にしっかり休むリズムができます。

老犬ですので、あくまでも無理のない範囲で、短時間、体を動かすようにしましょう。

散歩をするなら、朝や夕方の涼しい時間帯に。途中休みながら、犬のペースに合わせてゆっくり歩きます。

もしも歩くことが困難であれば、抱っこするなりカートに乗せるなりして散歩します。

外の空気を吸うだけでも、気持ちがリフレッシュします。


知育玩具で遊ぶ

犬は嗅覚に優れた生き物で、匂いを嗅ぐことで多くの刺激を得ています。

匂いを嗅ぐ動作は、脳を刺激することに繋がるので、夜間の徘徊や認知・痴呆症の予防になります。

例えば、おやつを中に入れた知育トイや、匂いを探す遊びは、犬の本能をくすぐりつつ、脳の活性化にも繋がります。

ストレスを軽減し、リラックスさせる効果もあると言われているので、犬にとって「嗅ぐこと」は非常に大切なのです。

昼間にこうした遊びを取り入れることで、よく眠れるようになります。


病院で診察してもらう

なかなか改善が見られない場合は、動物病院へ行って獣医師に相談しましょう。

一般的な薬の処方をするほかに、漢方やサプリメント、整体、鍼灸治療を行うところもあります。

サプリメントは市販のものを買うのもいいのですが、症状に適しているものか分かりません。

そのため、自己判断で買うのは避けて、必ず獣医師のアドバイスを受けましょう。

それに病院で診てもらった方が、犬の体調の変化や、症状が改善されているか分かるので、通院して定期的に診てもらいましょう。


いつものように暮らす

さいごに、老犬が「いつも通り」の生活を送れるようにしてあげることです。

過度に心配したり生活環境を変えると、犬にとって返ってストレスになり兼ねません。

犬は体のどこかが痛いとか、苦しいのかもしれません。

できることはしてあげたい気持ちは分かります。

でも1番は、家族との変わらぬ生活です。

特別なことはせず、いつも通り散歩し、頭を撫でたり毛をとかしてあげることが、お互いに必要な時間だと思います。


まとめ

老犬が夜寝ないでウロウロするのは、加齢に伴う心身の変化が原因であることが多いです。

でも、その原因を知り、そっと見守りながら手をかけてあげれば、少しずつ安心して眠れるようになるはずです。

大切なのは、「変化に気づいてあげること」と「いつも通りのやさしさ」です。

飼い主の想いは、きっと愛犬にも届いていますよ。


既に述べた通り、老犬が夜眠れなくなりウロウロと徘徊するのは、日中に満足のいく運動ができないまま、休んだり眠ってしまうためです。

犬も歳をとれば筋力や体力の低下から、これまでのような遊びや運動ができなくなるのは当然のこと。

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